「先進的技術」への取り組み

JFE瀬戸内物流では、先進的な技術を活用する事により、現場作業の安全性の担保や作業の効率化を推進する取り組みを行っています。
作業の中には、事故などの災害に被災するリスクを抱えていたり、安全性確保のため多くの作業員を投入しなければならない場合があります。
そうした現場作業において、遠隔操作の技術を用い、人と重機・車両を分離させるという先進的な取り組みにより、より安全で効率的な作業を実現しています。

「車両・重機操作の遠隔化による安全対策」

JFE瀬戸内物流の業務内容には、重機・車両を用いた業務が多く存在します。
それら業務の中には、製鋼工程で発生する高温の溶融スラグ及び重量物の運搬・処理などがあり、特殊なダンプや重機に搭乗して、安全第一を最優先に日々の業務を遂行しています。
取り扱う対象物はかなり高温なものも多く、転炉から運ばれてくる転炉スラグなどは1,200℃の溶融状態にあり、車両や重機のオペレーターは常に危険と隣接しているため、細心の注意を払って作業に当たらなければなりません。
そこで、火災や衝撃などといった想定される災害を回避するべく、JFE瀬戸内物流ではこれまで人が搭乗して行っていた操作から、”遠隔操作”へのシフト化を図っています。
その代表的な事例として、下記2つの遠隔操作があります。

スラグ残滓落し(ブレーカー作業)の遠隔操作化

転炉から排滓されるスラグ(ノロ)を専用の巨大な鍋(コキ鍋)に受け、所定の場所へ運搬し、排滓する一連の作業の中で、排滓後のコキ鍋に残ったノロを重機で落とす、という作業があります。
以前まではオペレーターが重機に搭乗し、各人の五感やそれぞれの習熟した技術で行っていた作業を遠く離れた建屋の中から遠隔にて操作する事を可能としました。
これにより、ノロ飛散による火災・水蒸気爆発のリスクから、オペレーターの安全を担保しています。

  • 視覚
  • カメラ・モニター
  • 聴覚(音)
  • 集音マイク・スピーカー
  • 感触
  • 圧力センサー

ダンプ・ブルドーザーの遠隔操作化

大型ダンプで運搬しているノロ鍋は、重く(約10t)、高温(約600℃)なため、排滓時には 火災や衝撃によるオペレーターへの危険が常にありました。そこで、リモコンでの遠隔操作によるダンプのノロ鍋排滓操作を実現しオペレーターの安全を担保することに成功しました。
その他にも排滓されたノロを半日かけて冷却した後、固化したノロを破砕し集積するため、ブルドーザーによる破砕作業と押し出し作業を行います。破砕作業によるノロの掘り起こし中に、万一下層にある冷却不足のノロとブルドーザーが接触し、火災となることを防ぐため、離れた専用のデッキからリモコン操作にてブルドーザーを遠隔操作する事を実現しました。
このように、これまで人が車両や重機に搭乗して行う作業には常に危険やリスクが伴っていましたが、“人に優しい操作環境を提供する”というコンセプトのもと、 JFE瀬戸内物流では、“遠隔操作”へのシフト化を行う事で、先進的技術ノウハウの蓄積と 現場作業員の安全性の確保に努めています。

「パワープロべスター車の遠隔操作化による作業工数削減」

JFE瀬戸内物流では、製鉄所構内の各道路脇の側溝に溜まったスラジや汚泥を除去するための清掃作業を行っています。
清掃作業には、パワープロべスター車と呼ばれる超強力な吸引車を使って側溝に溜まった汚泥等を吸引するのですが、作業を行うにあたり、最低でも車両(吸引装置)を操作する者、中継地点で指揮する者、吸引作業にあたる者の計3名で作業を行う必要がありました。
そこで、作業人員の削減を目的とし、車両(吸引装置)操作の遠隔化について、架装メーカーと検討を行い共同開発に着手しました。
しかし、作業を行う現場は見通しの良い場所とは限らず、工場建屋の地下であったり、地上から高さ約8mほどの場所であったりと、様々な環境に対応するため無線通信の有効範囲の評価や、車両状態の情報を把握するため各主要部位へセンサー類の取付・位置調整等、あらゆる試験及び改良を重ね、試行錯誤し実用化に至りました。

従来車両(吸引装置)に作業員が1人付きっ切りで操作を行っていたものを、遠隔操作化により、タブレット端末で車両状態の情報確認を行いながら、車両から離れた場所での吸引装置操作が行えるようになり、車両操作者と指揮者の役割を一人で担え、作業人員1名の削減を可能とし、1月あたり約125時間もの作業工数の削減を実現しました。
今後とも、こうした遠隔化の技術を積極的に現場作業の中に採用する事でコスト削減へつなげ、 収益性の向上に向けた取り組みを推進して参ります。

変革への取り組み

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